猫にタマネギを食べさせてはいけない理由とは
猫にタマネギを食べさせてはいけない、という知識は、猫を飼っていない方にも広く浸透している一般的な知識です。では、何故猫にタマネギを食べさせてはいけないのでしょうか。
猫がタマネギを食べるとネギ中毒になる
猫にタマネギを食べさせると、ネギ中毒という症状が起こります。
これは、タマネギに含まれているアリルプロピルジスルファイドという成分が、赤血球を破壊することで起こるもので、攻撃された赤血球は通常の赤血球より寿命が短くなります。血液中の赤血球の数が減少すると、減ってしまった赤血球を補おうとする働きが起こりますが、ネギ中毒では赤血球の破壊速度が生産速度より早く、貧血が起こってしまいます。
ネギ中毒が起こると、ふらつき、下痢やおう吐などの消化器官への影響、黄疸、血尿などの症状が起こります。猫によって症状の出方に個体差はありますが、猫に対してタマネギは猛毒です。体重1kgに対し、15gから20gを摂取すると症状が起こります。
調理したタマネギもNG
タマネギをそのまま食べるのはもちろん危険ですが、タマネギを使ったスープなど、調理の段階でタマネギが混入している場合、ほとんどの場合でネギ中毒が起こります。少量の摂取だけでもネギ中毒が起こり、最悪の場合死に至る場合もあります。また、タマネギを摂取してから症状が出るまで1日から数日間かかるというのも問題です。
飼い主が知らないうちにタマネギを摂取してしまい、消化して吸収されるまで時間がかかります。このため、タマネギを摂取したのに気付かず、症状が出てから初めて気が付くというケースがあります。
対応が遅れてしまった分危険度も上がってしまうので、猫を飼っている方はタマネギの管理には十分注意する必要があります。
もし猫がタマネギを食べてしまったら
もし猫がタマネギを食べてしまった場合、すぐに病院に連れて行きましょう。その場で無理矢理吐かせようとしても、猫に負担がかかるだけで逆効果です。場合によっては胃から逆流したおう吐物がのどに詰まってしまい、窒息を起こすこともあります。すぐに病院へ連れて行き、適切な処置を受けさせましょう。
最近ではペット病院も夜間診療を行っているところもあるので、猫を飼っている方はあらかじめそのような病院を見つけておき、いざというときにいつでも対処できるように準備しておくと安心です。
また、ネギ中毒を起こさないために、飼い主はタマネギの管理に気を付けることも大切です。身軽で体が柔らかい猫は、簡単に高い場所に登ったり、わずかな隙間をくぐりぬけることができます。
タマネギの保管は猫の手が届かない場所、例えば冷蔵庫の野菜室などに入れておくなど、簡単に猫が食べられない場所に置く習慣を身に付けましょう。
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