猫の円形脱毛症?猫がハゲる皮膚糸状菌症の原因と対処法とは
猫は一年中、毛が抜ける生き物ですが、毛が抜けるからハゲになる訳ではありません。ハゲになる原因は抜け毛ではなく、病気によって毛が生えてこなくなるのです。その中でも皮膚糸状菌症は猫がハゲになる原因で最もひどい病気です。
人間にも感染する病気なので、皮膚糸状菌症を知っていき愛猫がハゲにならないための対策を考えていきましょう。
今回は、猫がハゲになる皮膚糸状菌症の原因や対処法についてご紹介します。
皮膚糸状菌症とはどんな病気?
皮膚糸状菌症とは、真菌と言われるカビの一種で皮膚糸状菌が感染して発症する病気で、猫や犬から人間に感染する人獣共通感染症の1つなのです。
猫の皮膚糸状菌症は、免疫力が弱い子猫や基礎疾患がある猫の場合、また多くの猫を飼っている環境だと発症しやすいです。また、毛の長い猫が皮膚糸状菌症にかかりやすくグルーミングや遺伝的の影響があります。
皮膚糸状菌症の症状は、フケを伴う円形脱毛が見られます。いつもはあまり痒みがないですが、時には強い痒みが走ることがあります。症状は猫の顔や四股によく出てきます。猫が皮膚糸状菌症にかかった場合は、炎症を起こしている皮膚を掻き過ぎてかさぶたになることがあるので注意が必要です。
また、皮膚糸状菌症によって脱毛になったり、皮膚が赤くなったりなどの症状がみられます。人間が感染した場合は、特徴的な赤や白い輪のようなリングワームが形成されます。
皮膚糸状菌症の原因とは?
皮膚糸状菌症は、皮膚糸状菌の真菌が原因で発症します。皮膚糸状菌症にかかる原因は主に3つあります。
- 接触感染
- 免疫力低下
- 毛が長い猫
真菌は接触感染するため、すでに皮膚糸状菌症になっているほかの動物や人間などに触れて感染したり、土の中やコンクリート上で菌が増殖している環境下で落ちている物に触れて感染したりします。
免疫力がない子猫やストレスを抱え肉体的や精神的にも負担がかかっている猫、元々から疾患があり免疫力が低下した猫や高齢猫が感染しやすいらしいです。健康な状態だと菌が侵入しても増殖をおさえますが、免疫力が低下している猫は菌の増殖を止めることができなくなっていると言われています。
毛が長い猫と言えばペルシャ猫ですが、長毛種だからこそ皮膚糸状菌症にかかりやすいのです。データでも高い感染率が確認されており、毛の長さが一因となっているようです。グルーミングで菌を除去できる割合が短毛種に比べ少ないのが原因となります。
毛が長いからこそブラッシングをする機会は多いはず、ブラッシングによっておきる静電気が空気中に漂う菌を引き寄せてしまうため皮膚糸状菌症にかかりやすいようです。
皮膚糸状菌症の対処法とは?
皮膚糸状菌症にならないためには、しっかりと対処しないといけません。4つの対処方法で愛猫を皮膚糸状菌症から守りましょう!
- ブラッシング
- 猫草
- 毛玉除去剤
- 掃除
抜け毛が一年中ある猫には、定期的にブラッシングをしてあげましょう。猫は毛づくろいで不要な毛を飲み込んでしまうので、ブラッシングで飲み込んでしまう抜け毛を除去します。
しかし、ブラッシングの最中に抜け毛が絡まったときは、無理に取ろうとすると猫の皮膚に負担がかかり、皮膚が炎症します。ブラッシングをする際には、力を入れない方法で猫の抜け毛を取ってあげましょう。
猫草は用意するだけで、猫が勝手に食べてくれます。ですが、猫草は好き嫌いに分かれているので、用意しても食べてくれない場合もあります。猫草の効果は、飲み込んでしまった抜け毛を吐き出すようサポートしてくれます。
猫草を食べると胃の中で、チクチクと胃を刺激してくれて毛玉を吐き出します。猫草には食物繊維やビタミンが多く含まれているため、便秘解消や栄養補給をしてくれる効果もあります。
毛玉除去剤は飲み込んでしまった抜け毛をうんちとして出すサポートをしてくれるため、皮膚糸状菌症の治療法としても使われています。ペースト状の液体を猫の口元につけなめさせることで、胃の中の毛玉をコーティングしつつ、毛玉がうんちとして排出し、便秘も解消してくれます。
毛玉除去剤はまず毎日1日に1gあげて毛玉が出てきたら、週に1~2回程度で与えていきましょう。ですが、定期的にあげていると、猫が毛玉除去剤の味に慣れてしまい舐めてくれなくなります。ですので、猫が味に飽きてきたなと感じたら、味が違う毛玉除去剤を使用してあげましょう。
ブラッシングや猫が毛づくろいをしたときは、抜け毛が舞い上がってしまいます。掃除をするときは、まず水を入れたスプレーで部屋中の空間に吹きかけて、部屋中の湿度を上げましょう。空気中の湿気が舞い上がった抜け毛や菌を床に落としてくれます。
後は雑巾がけをして掃除機をかければ、しっかりと皮膚糸状菌症を対処できるでしょう。
愛猫を守るためにできること
皮膚糸状菌症は人間にも感染する病気なので、放置しておくと愛猫だけでなく、飼い主さんも危険です。一年中毛が抜けるからハゲることはありませんが、愛猫の毛が薄くなった、またはハゲている箇所を見つけた場合は、早急に病院に連れて行ってあげましょう。
愛猫が皮膚糸状菌症で脱毛しハゲにならないために、4つの対処法をしっかりと行いましょう。愛猫も飼い主さんも安心して暮らせる空間を作り皮膚糸状菌症を予防していきましょう!
冒頭画像:Doucefleur/Shutterstock.com
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