ペット防災|猫の防災対策特集Vol.3【支援編】被災地の猫ちゃんに私たちができること
日本は災害が多い国ですが、東日本大震災が起きる前までは、ペット防災という概念はあまり浸透していなかったと思います。
東日本大震災で被災した動物の数はあまりにも多く、それはペット防災やアニマルウェルフェア(動物福祉)について社会全体へ問題定義し考えさせるきっかけにもなりました。
猫の防災対策は「猫飼いさんが家の猫のためにやること」ばかりではなく、「助け合う輪を広げる」ことも大切なペット防災であると思います。
それでは、「私達にできる支援」についてご紹介したいと思います。
まずは知ることが支援の第一歩 動物たちにとっては人災という地獄
私は震災前から、猫や馬にかかわるボランティアをしていました。
震災が起こり、知り合いの動物ボランティアが動き出した矢先、原発事故が起き、人間がいない町に動物が取り残されました。
土地柄放し飼いの犬猫も多かったようですが、犬は鎖につながれたまま、猫は室内に閉じ込められたまま、豚や牛や鶏や駝鳥は牛舎から出られないまま、多くが飼い主に見捨てられた絶望の中で餓死しました。
外にいた動物たちも、ほとんどは人間に買われていた動物ですので、寒さと飢えに耐えられませんでした。
猫首輪がないがために、「飼い猫」として身元確認ができず、助け出されなかったり飼い主と出会えなかった子もいます。
これは人間にとっては自然災害ですが、被災した動物たちにとっては人災です。
私達が普段からもう少し備えていれば、もう少し考えていれば、もう少し協力し合えれば、防ぐことができたペットや家畜たちの死は必ずあったはずです。
逆に言うと、私達はまた、次の災害でも同じ地獄を作り出してしまう可能性があるということでもあります。
私達がすでに死んでしまった、そしてまだ生きて苦しんでいる被災動物へできる支援の最初の一歩は、まず「知ること」。
知ってそして、「二度と人災を起こさないこと」です。
つらい事実ですが、目を背けずに知り、そして備えてほしいと思います。
被災地の猫にできること 避難所になる
被災した猫や犬は、さまざまな理由により飼い主さんと離れ離れになってしまう子もいます。
シェルターなどの保護施設にいれば大丈夫、とお思いになるかもしれませんが、動物には心があるため、特にペットは人間と密接に暮らしてきた記憶があるため、「ただ命がある=幸せ」ではないのではないかと思います。
災害で傷つき、飼い主さんと離れ離れになってさらに傷ついている猫や犬の「避難所」になってあげることは、大きな支援です。
我が家では、原発と津波を被災地域から救出された猫を2匹預かりました。
そして今なお、飼い主さんの迎えを今か今かとシェルターや保護施設で待っている子もいます。
特定の保護施設のURLを記載すると、他の施設にいる子の未来を奪うことになりかねないので、ぜひ「被災猫 シェルター」などでキーワード検索してみてください。
自分の家の子と同じ形をした、誰かの大切な家族ですから、もし可能であれば手を差し伸べてあげてほしいと思います。
被災地の猫にできること 救援物資を送る
東日本大震災から時がたっておりますが、今なお家に帰れない猫や犬は大勢います。
また、災害大国である日本には、災害が起こるたびに「被災動物」が発生してしまいます。
新しく猫を預かることは難しいかもしれませんが、その子達へ救援物資を送ってあげるという支援もあります。
上記のシェルターや猫ボランティアさんのところでは、おうちの猫が食べなかった餌や、使わない毛布・キャットタワーなどを送ってほしいとHPに記載しているところも多くあります。
おうちの猫が食べなかった・使わなかった者が他の誰かの役に立つなら嬉しいですよね。
また、物資を送るのは大変…という方は、アマゾンに素晴らしい機能があります。
ボランティアさんが「ほしいものリスト」というものを公開しているので、それをクリックするだけでOKです。
ボランティアさんや保護施設さんが「ほしい!」というものを的確に送ることができますし、お買い物のついでに気軽にできる支援です。
アマゾンの「ほしいものリスト」による救援物資支援(例)
https://www.amazon.co.jp/gp/registry/wishlist/VN6WU658HA2V
https://www.amazon.co.jp/gp/registry/wishlist/GDWN1GNX55JK
※他にも多くの保護施設・団体さんが公開していると思いますので、検索していただければ幸いです。
まとめ
東日本大震災で猫・馬・牛の救援を試みましたが、余りにも自分が無力で絶望しました。
しかし、本当に絶望しつらかったのは人間に見捨てられた動物たちです。
もしも自分の猫が被災し、自分がどうにかしてやれないとしたら。
誰かに助けてもらうためには、「みんなで支援する」という輪を広げていくしかありません。
無力だから何もやらないのではなく、微々たることでも自分にできることをやることで、1匹でも絶望の淵から助け出す力になります。
ぜひ、知って、支援して、助け合いの輪を広げていきましょう。
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