猫ちゃんに多い皮膚病とは?原因と治療法、予防法を知ろう!

猫ちゃんに多い皮膚病とは?原因と治療法、予防法を知ろう!
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猫ちゃんの皮膚病でよく見られる症状は?

猫は体調が悪い場合でもそれ隠す習性を持っているため、元気そうに見えていても深刻な病気が進行しているケースもあります。そのため、飼い主は毎日のお世話やスキンシップを通じて、愛猫の些細な変化も見逃さないように観察することを心がけましょう。

猫にも人間同様にさまざまな皮膚疾患があり、そのなかには体表だけでなく体内の臓器の病気が原因となって起きるものもあります。猫の皮膚疾患として代表的なものは以下の症状です。このような症状が起きていないか、チェックするポイントとして覚えておくと良いでしょう。

まず、「ハゲる・毛が抜ける」は最もわかりやすい症状です。次に「痒がって頻繁に掻く・掻き傷ができる」「フケが多い」なども、気を付けて見ていればすぐに気づくことができます。また、「毛のツヤが悪い」「皮膚が荒れる・ブツブツ(発疹)ができる」という症状や、「皮膚や粘膜の色が黄色っぽい・青白い」という症状が出る場合もあります。

これらの症状は、猫の体に触れながら間近でよく見なければ、なかなか気付くことができないかもしれません。そのため、愛猫が長毛種の場合はもちろん、短毛種やミックス猫であっても、ブラッシングを毎日の習慣として行うようにし、その際に健康状態のチェックも一緒にするのが良い方法です。

猫ちゃんにも多い!アレルギー性皮膚炎いろいろ

アレルギーとは原因物質(アレルゲン)によって腫れや痒み、脱毛などの症状が出ることをいいます。また、猫のアレルギー性皮膚炎において考えられるアレルゲンとしては、「食べ物」「ノミ」「花粉やハウスダストなど体内に吸収するもの」「金属やプラスチック、カーペットなど接触性のもの」などが挙げられます。治療方法は、まず対症療法としてアレルギーの症状に応じた投薬(ステロイド剤や抗ヒスタミン薬など)を行いつつ、アレルゲンの特定と除去を目指します。

アレルゲンによって症状の出方や患部に違いが見られる場合もありますが、素人が正しい判断をするのは難しいので、早めに獣医師の診断を受けることをおすすめします。以下に見分け方や対策を述べますが、あくまで目安として参考にする程度にしてください。

まず、食べ物によるアレルギーの場合は、目や口の周りといった顔の粘膜部分や背中などに、痒みを伴うブツブツやおでき、脱毛などの症状が出ることが多いです。猫が患部を気にして触ったり掻いたりしてしまうと、さらに腫れや掻き傷が生じたり出血したりすることもあります。

市販のキャットフードに含まれている物質がアレルゲンとなるケースも珍しくないため、食べ物が原因の皮膚病が疑われる場合にはアレルゲン除去食に切り替えて治療を行います。次に、ノミアレルギー性の皮膚炎の場合は、腰からお尻にかけての部分に強い痒みがある赤いブツブツが生じ、毛が抜けることがあります。また、猫が痒がって頻繁に掻きむしることも脱毛に拍車をかけてしまいます。ノミアレルギー性皮膚炎の治療には、合成副腎皮質ホルモン剤や抗アレルギー剤を使用する方法が一般的です。予防のためにはノミの予防と駆除を行うことが重要で、特に戸外に出る猫には定期的に駆除薬を付けるなど、しっかりと対策したほうが良いでしょう。

加えて、複数の猫を飼っている場合は、症状が出たのが1匹だけだとしても他の猫のノミ駆除も並行して行わなければ原因を根絶できないため、注意してください。また、完全室内飼いの猫でもノミやダニが付くケースもあります。その場合、飼い主や来客が無意識のうちに飼育環境へノミ・ダニを持ち込んでいることが考えられます。外出先でよその飼い猫や野良猫に接触した場合は、愛猫に触れる前に衣服へコロコロクリーナーをかけてから入室するなどの注意をすると良いでしょう。

さらに、吸収性アレルゲンや接触性アレルゲンによるアレルギー皮膚炎が疑われる場合、アレルゲンの特定はかなり困難です。その場合の対策として、獣医師と相談しながらアレルゲンとなる可能性のある物質を飼育環境から除去していくことになります。具体的な方法としては、まず、こまめに掃除を行ってカビやホコリなどのアレルゲンを取り除き、飼育環境の清潔を保つことが挙げられます。

次に、猫の生活エリアには余計なものをなるべく置かないように心がけ、何かを使ったらすぐ片付けるようにしましょう。これらの対策を行うことによって、アレルギー性皮膚炎を予防・改善できる場合もあるとされています。また、外に出る猫の場合は外出先でアレルゲンに接触してしまう可能性もあるため、猫はなるべく完全室内飼いするのが、健康管理のうえでも安全といわれています。それから、アレルゲンは一種類とは限らず、同時に複数のアレルゲンに反応して皮膚病の症状が出る場合もあります。そのようなケースはアトピー性皮膚炎と呼ばれます。アトピー性皮膚炎が慢性化すると、皮膚が黒ずんで分厚くなってしまうこともあるため、こじれる前に早めの治療をしてあげましょう。

上記のような対策の他、シャンプーやリンスで皮膚についたアレルゲンを落としたり、保湿剤を使用したりして皮膚状態を改善する方法にも効果があるといわれています。しかし、猫シャンプーを嫌がる場合は、かえってストレスを与えることによって症状を悪化させかねないので、ケースバイケースで対応してください。

かわいい猫首輪が原因で起きる皮膚病もある!

かわいらしい猫首輪を愛猫につけてあげるのは飼い主の楽しみでもあり、万が一脱走したときに捜索する際の目印にもなるといわれています。しかし、猫首輪が原因で起きる「猫首輪ハゲ」にならないように、普段から気をつけてあげなければなりません。猫首輪ハゲの症状とは、猫首輪をつける首回りに痒みや脱毛が生じることです。一度ハゲてしまうと、治療や対策を行ってもなかなか元通りに毛が生えそろわず、悩んでいる飼い主も少なくありません。

愛猫に似合ってかわいいからといって首輪を付けっぱなしにしていると、首回りがハゲてきていることに気付くのが遅くなってしまいがちです。猫首輪ハゲの原因としては、「猫首輪と皮膚の摩擦」「猫首輪の材質にアレルゲンがあるため」「猫首輪をつけているストレス」「長い期間使用した猫首輪が不潔になり、雑菌などが発生したため」などがよく挙げられています。

猫首輪ハゲを予防するためには、まず猫首輪を選ぶ際に愛猫の皮膚にやさしい素材のものを選ぶようにしましょう。また、新たに首輪を付けるときには、首を締め付けず摩擦も起きにくい程度の適度なサイズに調整するように配慮してください。そして、適度にフィットしている猫首輪であっても時々外してあげて、首回りの毛並みや皮膚に異常が起きていないかをチェックしてください。

愛猫が首回りを痒がって頻繁に掻いている様子がないかにも気を付けましょう。また、猫首輪をつけていることを嫌がっていないか、愛猫の様子をよく観察することも大切です。猫首輪を嫌う猫の場合、その理由として首回りに不自然なものが巻き付いていることの他、鈴が付いている首輪の場合には音がすることをストレスに感じているケースもあります。

それから、お気に入りの猫首輪であっても時々は洗うか新品と交換するなど、いつも清潔に保つように配慮してあげましょう。

詳しくはこちらの記事でも紹介しています↓。

ひなたぼっこが原因の皮膚病もある!

猫は臨機応変に快適な場所を発見することを得意としており、寒い季節には日当たりの良い窓際などでひなたぼっこをするのが大好きです。お日様の光を体中に浴びながら手足を伸ばして幸せそうに眠っている愛猫の姿はほほえましいものですが、猫が紫外線を浴びすぎることによって起きる皮膚病もあることを、飼い主の常識として知っておきましょう。

猫が強い紫外線を継続的に浴びることによって脱毛やフケ、かさぶたが生じたり、耳や目の上など毛の薄い部分に痒みが生じたりすることがあり、この症状は日光皮膚炎と呼ばれています。特に、白猫や被毛が薄い色をしている猫は日光皮膚炎にかかりやすいといわれています。さらに、高齢の猫の場合は、日光皮膚炎から扁平上皮癌に転化してしまうおそれもあるため、若い猫よりも予防対策を徹底してあげてください。

日光皮膚炎の治療方法は、次に述べる予防策と共通する紫外線除去に加えて、炎症がひどい場合には抗炎症が処方されることもあります。また、掻き傷や出血、潰瘍が生じている場合には、抗生物質を投与して細菌感染を防ぐ場合もあります。さらに、患部に紫外線避けの入れ墨を施すことも可能ですが、特殊な場合に限られるようです。

日光皮膚炎の予防法や発症後の対策とは、強い紫外線を長時間浴びさせないようにすることです。具体的なやり方としては、日光浴の時間を短めにする、窓ガラスにUVカットフィルムを貼るなどの方法があります。また、低刺激性のUVカット効果のある日焼け止めを愛猫の耳や鼻など毛の薄い部分に塗るという手段を行う飼い主もいますが、塗ってから数分間は猫が舐めないように注意して見ていなければなりません。それから、紫外線が強くなる春から秋にかけては、紫外線が強い時間帯である10時頃から15時頃までは日光浴や外出をさせないほうが、愛猫の健康のためにも安全だといわれています。

皮膚疾患から発見できる猫の重病とは?

猫の皮膚病には、命にかかわるほどリスクが高いものは少ないといわれていますが、なかには危険な病気であるケースもあります。体の表面だけの病気と思い込んで軽視することはせず、重病である可能性を頭に置いて日頃から観察を怠らないようにし、万が一の場合の早期発見に努めましょう。

たとえば、扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)の場合、毛が抜けたり皮膚の荒れ、特に耳の中や目の上、鼻筋など毛の薄い部分の皮膚が荒れたりするなどの皮膚症状が出ます。また、かさぶたやしこり、潰瘍が生じる場合もあります。扁平上皮とは、口や食道、鼻や気管・気管支など体内への入り口となる辺りの表面を覆っている組織細胞のことで、口の中や気管など外から見えにくい場所に癌ができるケースもあります。口の中にできることもよくありますが、歯磨きをする習慣があればその際に発見できる可能性があります。

または、血の混じったヨダレを垂らしていることから気づくことができる場合もあるようです。扁平上皮癌が進行すると、耳先などの患部が脱落したり患部の機能が阻害されたりし、重症な場合や急性期の場合には命にかかわる状態になることもあります。

また、扁平上皮癌の原因としてよく挙げられるのは、強い紫外線を継続的に浴びることと大気汚染です。そして、扁平上皮癌の治療法としては、患部を切除する外科手術がメインとなる他、抗癌剤治療や放射線治療も行われます。

扁平上皮癌を予防する方法としては、まず愛猫を強い紫外線に長時間さらさないことが挙げられます。特に白っぽい毛色の猫の場合は気を付けてあげたほうが良いといわれています。上記の日光皮膚炎予防策と同様の対策を行ってください。

体表皮膚以外の場所に生じる扁平上皮癌は、毛色とは関係なく、高齢の猫がかかりやすいといわれています。特に、口の中にできる扁平上皮癌は、煙草の煙など大気汚染が主な原因とされているため、愛猫の生活空間で喫煙しないことや空気清浄機の使用が推奨されています。また、三次受動喫煙のリスクもあるといわれています。すなわち、喫煙者や受動喫煙者の呼気や衣服についた有害物質が、体の小さな猫にとっては健康被害をおよぼす量になりかねないという説で、それを知ってから愛猫のために禁煙を決意する飼い主も増えています。

また、自動車の往来が多く、排気ガス量が多い環境に住んでいる場合は、完全室内飼いにしたほうが交通事故のリスクに加えて汚染された空気からも愛猫を守ることができるため、外飼いや半外飼いより健康管理のうえでもベターとされています。




nekocan編集部

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