猫がゲロを吐いた!嘔吐の原因と対処法とは?

猫草を食べる理由
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猫と暮らしていると、必ずゲロ(嘔吐)と対峙することとなります。
普通にご飯を食べていてそのままお皿にダイレクトゲロ。おいしいおやつを与えて大満足のあとキャットタワーからナイアガラゲロ。猫草を芝刈りしてからのグリーンゲロ…。
まさに猫との生活は諸行無常です。
また、基本的にあまり場所を考慮してくれないので、家具を汚さないためにとっさに手で受けるツワモノ猫飼いさんも少なくないのではないでしょうか。
猫と暮らす上でこの嘔吐行為はつきもの、もはや猫の一部と言っても過言ではありません。
しかしこの頻発する嘔吐行為には正常な嘔吐と病気が疑われる嘔吐があります。
正常な嘔吐と病気が疑われる嘔吐の見分け方や原因、そしてその対処法についてご紹介いたします。

なぜ猫は日常的に吐くのか?

猫がゲロを吐いた!嘔吐の原因と対処法とは?

猫を飼ったことがなかった家族が我が家の猫の嘔吐を見た時、驚いて「病院、病院!」とオロオロしていました。
猫は「吐く動物」です。
餌を食べ過ぎた時や、草を食べた時、毛玉を排出するためなどに嘔吐行為をします。
特に、餌の種類が変わったり、おやつをもらったあとに食欲の勢いがついてそのままごはんを食べた場合などは、その猫の消化器が反応し、または許容量を超えてしまい、その場で吐いてしまうことがあります。
猫にとってゲロは普通の生活反応のひとつでもあるので、正常な嘔吐の場合は何事もなかったかのように過ごしたり、そのまま引き続き餌を食べ始めたりもします。
そのため、猫飼いさんは「猫は吐くもの」と思って、冷静に対処・観察をしてあげてください。

騒がないであげて! 嘔吐は我慢させないが吉

猫は人間の都合やルールは基本的に気にしません。
そのため、カーペット・こたつの中・猫ベッド・人間ベッド・キャットタワーの最上部・窓枠の最も掃除しにくい場所などでも盛大にお吐きくださいます。
しかし、猫飼いはここで慌ててはいけません。
ついつい「アーッ!!!」と大声を出したり、慌ててティッシュを握りしめてダッシュしたり、猫を移動させたりしていませんでしょうか。
嘔吐の初期動作(エクッエクッというアレ)のときにこちらが慌てたり大声を出すと、驚いて逃げてしまったり、「ゲロを吐くと怒られる…」と認識してしまいます。
そのため、まじめな性格の子であればゲロを我慢するようになってしまいます。
猫の生理現象であり、重大な病気に気づくサインでもあるゲロを我慢させてはなりません。
嘔吐の初期動作が始まったら、大声や大きな動作をせず、終わるまで待ってあげましょう。
家具やファブリックを保護したい場合は、そーっとティッシュやペットシーツでゲロ受けを作って待っていてあげましょう。

猫がゲロを吐いた!嘔吐の原因と対処法とは?

ゲロの形状別:嘔吐の原因とその対処法

猫が嘔吐をする場合、正常な嘔吐と病気が疑われる嘔吐があります。

おやつやフードがまるまま出たゲロ

多くの場合、食べ過ぎです。
その猫の1回の食事の許容量をキャパシティーオーバーしてしまったため、リバース機能が働いて出してしまったのでしょう。
しかし、何度も吐くようであれば、その餌にアレルギーがあるのかもしれません。
動物病院でアレルギーチェックを行ったり、ヒルズのz/dなどに代表される低アレルギーの療養食などへ切り替えてあげる必要があります。

草と毛/毛のみのゲロ

おなかの中に舐めとった毛が溜まっているため、それを排出したくて嘔吐をしています。
おなかの中に毛玉が溜まると、最悪の場合開腹手術が必要な毛球症などの病気になってしまいます。
猫草を食べさせたり、ヘアボールコントロールの餌を与えると良いでしょう。

泡や黄色っぽい胃液のゲロ

胃液を吐く場合、「空腹」「異物の誤飲」「胃炎」などの可能性が考えられます。
よく猫の飼い方などで「餌は1日2回」と書いてあるものもありますが、猫は本来何回かに分けてちょっとずつ餌を食べる動物です。
空腹になると胃液が胃を刺激して吐いてしまう子もいるので、食事の回数を増やしてあげてもよいのではないでしょうか。
※元野良ちゃんは飢えたつらい経験から、餌をドカ食いしてしまう子が多いので、それも嘔吐の原因になります。飼い主さんが餌の量をコントロールしてあげましょう。
空腹での嘔吐ではないようでしたら、すぐに動物病院へ相談してください。

透明な液体/お水っぽいゲロ

お水を吐く場合、「冷たい水の刺激」「腸閉塞」「膀胱炎」「腎不全」の可能性があります。
冷たい水で胃が刺激されてはいてしまう場合は、ぬるま湯を上げると収まることが多いですが、危険な病気が潜んでいる可能性が多いため、動物病院へ相談した方が良いでしょう。

茶色いゲロ

人間もそうですが、消化器系疾患での出血は茶色から黒に近い嘔吐になります。
そのため、茶色いゲロをした場合は、胃腸炎・腫瘍・潰瘍などにより、胃や腸から出血をしている可能性が考えられます。
病気の可能性が高いゲロですので、動物病院へ相談した方が良いでしょう。

ピンク色~赤いゲロ

消化器からの出血の場合、多くは茶色いゲロになりますが、赤やピンクなど鮮やかな色のゲロの場合は、食道や気管・口の中・胃の上部から出血している可能性があります。
続くようであれば、動物病院へ相談した方が良いでしょう。

吐くけど何も出ない

「異物の誤飲」「腎不全」の可能性があります。
いずれの場合も重篤な病気の可能性が高いので、動物病院へ相談してあげてください。

まとめ

猫がゲロを吐いた!嘔吐の原因と対処法とは?

猫は人間や他の動物に比べ、頻繁に吐く動物です。
嘔吐は猫にとって大切な生理現象であることに加え、体調不良を隠しがちな猫が見せる大切な「病気のサイン」でもあります。
確かに、ところかまわずお吐きくださるので大変な思いもしますが、猫飼いの甲斐性として、猫が吐き始めたら騒がず静かに見守り、そしてゲロの内容を冷静に観察してあげてください。
茶色いゲロを吐いたり、何度も繰り返し吐いたり、苦しそうにして食欲が落ちているときなどは危険信号です。
ゲロなんていつものことだからと放置せず、動物病院へ相談してあげてくださいね。


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7歳の時から20年三毛猫に育てて頂きました。その後、腎不全・肝不全・膵臓不全・末期糖尿病・白血病の5重苦の捨て猫と一緒に闘病をした経験をもとに、現在5匹の保...

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