猫からフケが出るのはどうして?フケが出る原因と予防法まとめ
目次
猫からフケが出る原因とは
フケが出る主な原因に、体質、ストレス、肌の乾燥の3つがあげられます。
まず、体質についてですが、猫は日々の体調の変化によって体質が変化する動物です。
抜け毛が多くなったり体が一時的に弱っていたりすると、フケが出やすくなるという猫はめずらしくありません。
この場合、あくまでも一時的なものなので、数日経ったら治っていたというケースが多い傾向です。
このほかに、新陳代謝が活発な猫はもともとフケが出やすいといった特徴があります。
次に、ストレスについてです。体の調子がそのまま体質にあらわれやすい猫は、日常的に何らかのストレスを感じているとフケが大量に発生しやすくなります。
ストレスを感じているときは、粗相をするようになったり体を動かさなくなったりと普段とは違う行動を見せるのが特徴です。グルーミングを必要以上に行う猫もなかにはいます。いつもと違った行動をしていたら要注意です。
肌の乾燥の場合は、空気が乾燥しやすい冬や季節の変わり目など、主に季節の変化であらわれるのが一般的ですが、水分不足に陥った場合でもフケが出やすくなります。水分不足は肌の乾燥を招き、腎臓病といった重い疾患を引き起こすこともあります。空気の乾燥や水分不足には十分注意が必要です。
猫からフケが出るのは病気の可能性も…
病気が原因でフケが出るという怖いケースもあります。
なかでもフケが大量に発生しやすいのは、皮膚疾患とアレルギーです。脂漏症といった皮膚炎では、皮脂が過剰分泌されることによって、ベタつきのあるフケが大量に発生し、皮膚が赤く腫れます。
アレルギーの場合は、花粉症やハウスダストなどが代表的です。アレルギーを持っている猫は体にかゆみを感じるため、体をかきむしることでフケがボロボロと出てきます。体を強くかきむしるなどの行為をしているのを見かけたら要注意です。
ほかにも、寄生虫などによる感染症によってもフケが増加しやすくなります。有名なのは、ツメダニ、ヒゼンダニと呼ばれるダニです。ツメダニは、別名フケダニと呼ばれているほどで、これに感染すると大量のフケが発生します。
ツメダニが寄生するのは主に背中です。寄生されたまま放置するとフケだけではなく、脱毛の症状が出る場合があります。
ヒゼンダニは皮膚の中に寄生するダニであり、これに寄生されると疥癬(かいせん)と呼ばれる強いかゆみを伴う症状を引き起こします。猫が強く体をかきむしる行為、フケが大量に発生するようであれば、ヒゼンダニの感染症を疑った方が良いでしょう。ツメダニは人には感染しませんが、ヒゼンダニは人にも感染するため、より注意が必要です。
病気かどうか見極める方法は?病気だったときはどうすればいいの?
猫が皮膚疾患やアレルギー、その他何らかの病気を患っている場合は、一般的にフケ以外の症状もあらわれるのが大半です。
「皮膚が赤く腫れている」「全身もしくは毛の一部が脱毛している」「異常なほど体を強くかきむしっている」などの行為が見られた場合は、病気が原因の可能性が高いです。皮膚病や寄生虫、感染症、アレルギーといった病気が考えられます。これらの症状や行為を発見したら、まずは獣医師の診察を受けるようにしましょう。
脂漏症などは専門的な治療でなければ完治することは難しいですし、寄生虫の場合はどんな種類のダニ・ノミに感染しているかを特定してから駆除を行わなくてはいけません。アレルギーも同様です。市販の薬では対処できないことがあるため、獣医師に診てもらうことが第一です。また、同じ病気を患わないようにするためにも、部屋は常に清潔にし、ノミやダニなどの発生を最低限抑えるようにしなければなりません。
猫を完全な室内飼いにすることも効果的です。元野良猫の場合などは外の世界を覚えてしまっているため、完全な室内飼いをすることは難しいかもしれません。しかし、外で感染している猫と触れ合うと同じ病気をもらってくる可能性があります。白癬(はくせん)と呼ばれるカビに感染する場合もあるため、感染予防のためにも室内飼いするように心がけましょう。
フケの予防はできる?
猫にフケが出ないように予防するためには、「ブラッシング」「部屋の乾燥を防ぐ」「清潔にすること」の3つが重要です。
まず、ブラッシングですが、こちらは毎日行うことでフケを取り除くことができますし、血行促進、マッサージでリラックス効果が得られるなど、さまざまなメリットがあります。清潔を保つという面でもブラッシングは効果的なので、できるだけ毎日行う習慣をつけると良いでしょう。
ただし、ブラッシングのやり方には注意しなければいけません。フケを取り除きたいがために、ブラシの先端を皮膚に強く押し付けるのはNGです。皮膚を傷つけて症状が悪化するばかりか、皮膚炎など新たな疾患を招く恐れも考えられます。
ブラッシングをするときは、体表面の皮膚をやさしくなぞるように行いましょう。ブラシには短毛種、長毛種用などさまざまな種類が販売されています。どれを使えばいいかわからない場合は、獣医師に相談すると安心でしょう。
部屋の乾燥を防ぐには、加湿器がもっとも有効です。特に、冬の時期は肌が乾燥しやすく徹底した保湿が大事になってきます。加湿器で湿度を保ち、フケの発生を抑えましょう。一般的に、猫が快適に過ごせる生活環境は、湿度が50~60%、室内温度が18~29度と推奨されていますが、加湿器がないという場合でも、わざわざ購入しなくて大丈夫なので安心してください。洗濯物を室内に干したり、洗面器に水を張って部屋に置いたりするだけでも十分効果があります。
清潔にするには、「シャンプーをする」「爪を切る」といったことが効果的です。シャンプーはフケをごっそりと取り除くことができるので、フケ対策にも予防にも期待が持てます。シャンプーは猫専用でフケ対応のものを選ぶのが一番ですが、皮膚が弱い猫であったりアレルギーを持っている猫であったりすると、どれを選んだらいいのか悩んでしまいます。必要以上に皮脂を落とさないシャンプーであることも重要なので、猫に合うシャンプーを選ぶのは素人では難しいです。獣医師に相談してから購入するのが良いでしょう。
シャンプーをするときは、やさしく体を洗いしっかりとシャンプー剤を流すようにし、シャンプー後はタオルドライを行います。ドライヤーで、徹底的に水分を取り除くことも忘れないようにしてください。濡れたままでいるとカビの温床となりやすく、注意が必要です。シャンプーが苦手な猫には、蒸しタオルで体を拭いたり粉シャンプーを使ったりするのも有効なので試してみてください。爪切りも定期的に行いましょう。体をかくときに爪で引っ掻いてしまうと、そこから炎症が発生する恐れがあります。自分で行うのが難しい場合は、獣医師に頼みましょう。
フケを放置すると症状が悪化する可能性も!早期対策で猫の健康を守ろう
病気やアレルギーが原因でフケが出ている場合でも、ストレスや体質が原因の場合であっても、まずは獣医師に診てもらうことを最優先にしましょう。
肌の乾燥やストレスなどが原因であると自己判断をして適切な対処をせず、結果的に重い病気や皮膚疾患を患っていたというケースもあります。また、病気やアレルギーが原因でフケが出ると、比較的わかりやすい症状は出るとはいっても、皮膚の炎症などには気づきにくいものです。
万が一のことを考えて、「フケがなくならない」「大量のフケが発生する」といった場合は一度診察を受けるようにしましょう。また、猫の健康のためにも、定期的に健康診断を受けるようにし、ノミ・ダニの駆除も行ってもらうと安心です。
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